急いで決めなくていい。ただし放っておくのも違います。
入って数か月の時期は、仕事にも人にも慣れていない状態です。この時期のつらさには、時間が解決するものが確かにあります。だから「もう少し様子を見よう」という助言には一理あります。
けれど、待っていても変わらないものもあります。労働条件が入社前の説明と違う。心身に不調が出ている。こういう場合は、様子を見ることが解決になりません。まずはどちらなのかを分けましょう。
「まだ半年なのに」と思っているなら
入って数か月で辞めたいと感じたとき、多くの人が最初に考えるのは仕事のことではありません。こんな短期間で辞めたら、自分はどう見られるのかということです。
だから誰にも言えなくなります。前の職場の同僚にも、家族にも、友人にも。言えば止められそうだし、心配もかけたくない。そうして一人で抱えたまま、毎朝の憂鬱だけが積み上がっていきます。
この状態で「辞めるべきか、続けるべきか」を考えても、答えは出ません。判断に必要な材料がそろっていないからです。
まずやってほしいのは、決めることではなく分けることです。
時間で変わるものと、変わらないもの
入社してすぐの時期は、誰でもうまくいきません。仕事の手順も、社内の人間関係も、暗黙のルールも、何もかもが手探りです。この時期のつらさには、慣れとともに軽くなるものが確かにあります。
だから「もう少し様子を見たら」という助言には、一定の根拠があります。
ただし、待っても変わらないものもあります。
聞ける人が誰もいない状態。入社前に聞いていた仕事内容や条件と実際が違うこと。特定の人からの扱いがつらいこと。これらは時間の経過では解決しません。むしろ、耐える期間が長くなるだけです。
見分ける方法はひとつあります。3か月前と今を比べてみてください。
少しでもできるようになったことがあるなら、変化は起きています。もう少し続ける意味はあるかもしれません。逆に、何ひとつ変わっていないと感じるなら、待つ理由は弱くなります。
まだ打っていない手はありませんか
辞めるか続けるかの二択で考えると、行き詰まります。実際には、その間に選べることがあります。
上司に相談する。分からないことをまとめて聞く時間をもらう。配置や担当の変更を願い出る。使える休暇制度を調べる。
まだ何も試していないなら、そこには余地があります。 試したうえで変わらなかったのなら、それは辞める判断の材料になります。
ただし、これは「相談しなさい」という話ではありません。相談できる相手がいない職場もあります。言ったことで状況が悪くなる場合もあります。それも含めて、自分の状況を見てください。
体が削られているなら、判断は後回しでいい
ひとつだけ、順番を変えてほしい場合があります。
眠れていない。食欲がない。休日に休んでも回復しない。仕事のことを考えると動悸がする。日曜の夜が怖い。
こうした状態が続いているなら、辞めるか続けるかを考える前に、体を戻すことが先です。
消耗しているときの判断は、どうしても極端になります。すべてを自分のせいだと思い込んだり、逆に何もかも投げ出したくなったりします。そういう状態で人生の選択をする必要はありません。
医療機関にかかることをためらわないでください。相談することは、弱さではありません。
動くと決めたなら、在籍しているうちに
もし辞める方向で考えるなら、ひとつだけ現実的な話をします。
できるだけ、在籍しているうちに動き始めてください。
収入が途切れると、焦りが出ます。焦ると、条件を確かめずに決めてしまいます。そうして次も合わない職場を選ぶと、短い在籍がもう一つ増えることになります。
在籍したまま動くのは大変です。時間も体力も要ります。それでも、選べる状態を保っておくことには意味があります。
短い在籍を隠す必要はありません。なぜ合わなかったのか、次は何を重視したいのか。 ここを説明できれば、受け止めてもらえる場面はあります。むしろ隠したまま進めるほうが、後で行き詰まります。
決めてから相談しなくていい
最後にひとつ。
相談は、辞めると決めてからするものではありません。決める前のほうが、見られる選択肢は多くなります。
話した結果、続けるという結論になっても構いません。何が不満で、それが転職で解決するものなのかを切り分けた結果として残るなら、その判断には根拠があります。少なくとも、何も分からないまま耐え続けるよりずっといい状態です。
一人で考え続けて答えが出ないなら、それは考えが足りないからではありません。一人では材料がそろわないからです。
入社まもない時期の相談でよくあること
入って間もない方からの相談も多くあります。共通しているのは、辞めたい気持ちよりも「こんな短期間で辞めていいのか」という迷いのほうが大きいことです。
不利になる場面はありますが、伝え方で受け止められ方は変わります。それだけで人生が決まるものではありません。
甘えかどうかを自分で判定するのは難しいものです。事実を書き出して、外から見てもらうほうが早いです。
在籍中に動くことで、決まってから辞めるという順番も選べます。まず選択肢を知るところからで構いません。
決める前にたどる順番
結論を急ぐ前に、この順で見ていくと考えが整理されます。途中で止まっても構いません。
いまどの状態に近いですか
近いものを選ぶと、次に見るべきところがわかります。
近いものを選んでください
入って数か月で仕事を覚えきれないのは自然なことです。ただし、教えてもらえる体制があるかどうかは別の問題です。誰にも聞けない状態が続いているなら、それは慣れの問題ではありません。
- 教えてくれる人がいるか確認する
- 分からない点を書き出して聞く
- 3か月前より進んだことを数える
この時期に辞めたくなる4つの理由
どれもよくあることです。自分だけが弱いわけではありません。
判断に使う3つの見方
時間で変わるか
3か月前と今を比べて、少しでも変わったことがあるかを見ます。何も変わっていないなら、待つ理由は弱くなります。
自分から動かせるか
相談する、配置換えを願い出る、働き方を変える。まだ試していない手があるなら、余地は残っています。
削られていないか
睡眠、食事、休日の回復。ここが崩れているなら、判断より先に休むことを考えてください。
気持ちを事実に変えるワーク
つらいという感覚のままでは判断できません。何が起きているかを言葉にすると、考えが動き始めます。
起きていること
いつ、どこで、何があったか。感想ではなく出来事として書きます。
自分がしたこと
それに対して、これまで何を試したか。何もしていないなら、それも事実です。
変えたいこと
この状況で、一番先に変わってほしいものを一つ選びます。
状況整理のワークシート
全部埋まらなくて大丈夫です。書けるところだけで構いません。
1. つらいと感じた出来事
- 出来事として書く
- いつ頃からかを添える
2. 3か月前との違い
- 少しでも進んだ点を探す
- 変わらない点も書く
3. まだ試していないこと
- できそうなものに印をつける
- できないなら理由を書く
4. 体と気持ちの状態
- 正直に書く
- 崩れていたら最優先にする
ワークのゴール
「つらい」を「何がつらいのか」に変えることです。そこまで来れば、次に何をするかが見えてきます。
書く余力がないほど消耗しているなら、それ自体が大事なサインです。まず休んでください。
この時期にありがちなこと
状況整理チェック
チェックを入れると、いまどこまで整理できているかが分かります。保存はされません。
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この記事の作成・確認体制
よくある質問
Q. 入社半年で辞めるのは早すぎますか?
Q. 短期間で辞めると次の転職に不利になりますか?
Q. もう少し我慢したほうがいいですか?
Q. 試用期間中でも辞められますか?
Q. 辞めるか決めていなくても相談できますか?
辞めると決めていなくても、話せます。
いま何が起きているのかを一緒に整理できます。続ける場合の考え方も含めて話しましょう。一人で抱え込まないでください。