額面から社会保険料と税金が引かれた残りが手取りです。
求人票に書かれている金額は、引かれる前の金額です。ここから健康保険や年金といった社会保険料と、所得税や住民税が差し引かれます。残った金額が口座に入ります。
引かれる割合は、収入や住んでいる場所、扶養している家族の有無によって変わります。だから「いくら引かれる」と一律には言えません。ただ、提示額より少なくなることは確実です。
求人の金額は、そのままもらえるわけではありません
求人票に書かれている金額を見て、生活の計算をしたことはありませんか。
この金額なら家賃はこのくらいまで出せる、貯金もこれくらいできる。そう考えて入社したら、実際に振り込まれた金額が思っていたより少なかった。
これは、よくあることです。求人に書かれているのは引かれる前の金額だからです。
ここから、健康保険や年金といった社会保険料と、所得税や住民税が差し引かれます。残った金額が、実際に使えるお金です。
引かれる前を額面、引かれたあとを手取りと呼びます。
明細は3つの区分でできている
給与明細は、数字がびっしり並んでいて読む気をなくします。でも、構造はシンプルです。
大きく3つの区分に分かれています。
支給。 支払われるものが並びます。基本給、役職手当、通勤手当、残業代など。ここの合計が総支給額で、これが額面にあたります。
控除。 引かれるものが並びます。社会保険料と税金が中心です。
勤怠。 働いた日数、残業した時間、有給休暇の残り日数などが書かれています。
そして、総支給額から控除を引いた金額が差引支給額です。これが手取りで、口座に振り込まれます。
この4つの言葉だけ覚えておけば、明細は読めます。
引かれているのは、大きく2種類
控除欄には項目がいくつも並んでいますが、2つに分けると理解しやすくなります。
ひとつめは社会保険料。 健康保険、年金、雇用保険などです。病気やけがのとき、働けなくなったとき、歳を取ったときに備える仕組みで、加入している制度に応じて引かれます。
ふたつめは税金。 所得税と住民税です。
会社によっては、独自の積立や組合費が加わることもあります。見慣れない項目があれば、給与の担当者に聞いて構いません。 会社独自のものは社外では判断できません。
住民税は、1年遅れてやってくる
ここは知らないと驚く部分なので、分けて説明します。
住民税は、前の年の収入をもとに計算されます。
つまり、今引かれている住民税は、去年働いて得た収入に対するものです。今年の収入に対する住民税は、来年になってから引かれ始めます。
この仕組みのせいで、転職のときに差が出ることがあります。
たとえば収入が下がった場合。収入は減ったのに、住民税は前の年の水準で計算されているという状態が起きます。逆に、収入が上がった場合は、しばらくしてから税額が上がってきます。
さらに、転職の時期によって納め方が変わることもあります。給与から引かれる形が続くのか、自分で納める形になるのか。ここは勤務先の担当者に確認しておくと安心です。
「いくら引かれるか」は人によって違います
この記事では、具体的な金額や割合を書いていません。
理由は2つあります。
制度が変わることがあるから。 保険料の率や税の仕組みは、見直されることがあります。書いた時点では正しくても、あとで違っていれば読んだ人が損をします。
人によって条件が違うから。 収入の額、住んでいる自治体、扶養している家族の有無、加入している制度。これらで変わります。
では、どうすれば自分の場合が分かるのか。いちばん確実なのは、今受け取っている明細を見ることです。
総支給額と差引支給額を見比べてください。その関係が、自分の場合の目安になります。転職先の提示額を見たときも、その感覚で当てはめれば、おおよその見当がつきます。
額面だけで転職先と比べない
条件を比べるときに、もうひとつ気をつけたい点があります。
額面が高いほうが良いとは限りません。
提示された金額に固定残業代が含まれていることがあります。決まった時間分の残業代が、最初から入っている仕組みです。これが含まれている求人と含まれていない求人を、額面だけで比べると実態を見誤ります。
手当の中身も見てください。通勤手当が含まれているかどうかでも、実際に使えるお金は変わります。
比べるなら、条件をそろえてから。 固定残業代の有無、手当の内容、賞与の扱い。ここを揃えて初めて、意味のある比較になります。
明細は、年に数回でも見ておく
最後に、実務的な話です。
給与明細は、間違いが起きないわけではありません。
残業時間が正しく反映されていない。手当が付いていない。異動したのに前の部署の設定のままになっている。こうしたことは実際に起こります。
毎月じっくり見る必要はありませんが、年に数回でも目を通す習慣があると、気づけます。特に、昇給や異動、手当の変更があった月は見ておくといいです。
前月と比べて、変わっている項目があるかどうか。それだけでも十分です。
条件の比較に迷ったら
求人の金額をどう見ればいいか、今の条件とどう比べればいいか。ここは一人で判断しにくい部分です。
求人票の給与欄の書かれ方には、いくつかのパターンがあります。 幅で書かれている場合、固定残業代が含まれている場合、手当が別に書かれている場合。それぞれ読み方が違います。
応募を決める前の段階でも相談できます。今の条件と並べて、どう変わるのかを一緒に整理することができます。
お金の相談でよくあること
内定後や入社後に、金額の話で相談を受けることがあります。仕組みを知らないことによる驚きが多くを占めます。
求人の金額は引かれる前の額です。生活費の計算は手取りの目安でしておく必要があります。
見る場所は決まっています。3つの区分を知れば、何が書かれているか読めます。
住民税は前の年の収入をもとに計算されます。仕組みを知っておくと慌てません。
明細を読む順番
上から順に見ていくと、全体がつながります。
何が分からないですか
知りたいところを選んでください。
近いものを選んでください
求人に書かれている金額は引かれる前の額です。実際に使えるお金は、そこから社会保険料と税金を引いた残りになります。生活費の計算は必ず手取りの目安でしてください。
- 提示額をそのまま使わない
- 今の明細の割合を参考にする
- 固定残業代の有無も確認する
明細を読めると得する4つのこと
毎月受け取っているのに、見ていない人は多いものです。読めると次のことが分かります。
明細は3つの区分でできている
支給
基本給や各種手当など、支払われるものが並びます。合計が総支給額、いわゆる額面です。
控除
そこから引かれるものです。社会保険料と税金が中心になります。
勤怠
働いた日数、残業時間、有給の残日数など。手当の計算根拠にもなります。
引かれているものを分けるワーク
控除欄を保険と税に分けると、何がどういう理由で引かれているかが見えます。
社会保険料
健康保険、年金、雇用保険など。加入している制度に応じて引かれます。
税金
所得税と住民税です。計算の仕組みがそれぞれ違います。
その他
会社独自の積立や組合費など。会社によってあったりなかったりします。
明細を読むワークシート
手元の明細を見ながら書き出すと、構造が頭に入ります。
1. 支給の内訳
- 項目名をそのまま写す
- 合計が総支給額になる
2. 控除の内訳
- 保険と税に分ける
- 分からない項目に印をつける
3. 差引支給額
- これが手取りにあたる
- 生活費はここから考える
4. 気になる点
- 前月と比べる
- 担当者に確認する
ワークのゴール
求人の提示額を見たときに、手取りの目安が想像できる状態にすることです。
細かい金額は人によって変わります。だいたいの感覚がつかめれば十分です。
お金の見方でよくある失敗
給与明細チェックリスト
チェックを入れると、読めているかが分かります。保存はされません。
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この記事の作成・確認体制
よくある質問
Q. 額面と手取りはどれくらい違いますか?
Q. 給与から引かれているものは何ですか?
Q. 転職したら住民税はどうなりますか?
Q. 求人の給与額から生活費をどう計算すればいいですか?
Q. 明細に分からない項目があります
条件の比較も一緒にできます。
求人の金額をどう見ればいいか、今の条件とどう比べればいいか。応募前の段階でご相談ください。