不満を持つのは自由。ただ言い方で損をするだけです。
初めてのデートで、相手がずっと元カレや元カノの悪口を言っていたらどう思うでしょうか。話の内容が本当かどうかより先に、「この人と付き合ったら、いつか自分も同じように言われるのかな」と思ってしまいます。
面接でもまったく同じことが起きます。あなたの話が事実でも、聞いている側は「うちに入っても同じように言うのかも」と考えます。だから損をします。あなたが悪いのではなく、人の受け取り方がそうなっているだけです。
初デートで元カレの話をされたら
想像してみてください。
初めて二人で食事に行った相手が、ずっと元カレや元カノの話をしています。あの人は連絡をくれなかった。約束を守らなかった。友達の前で恥をかかされた。
話の内容は、たぶん本当なのでしょう。ひどい目にあったんだな、とも思います。
でも、食事が終わる頃には別のことを考えているはずです。
「この人と付き合ったら、いつか自分も同じように誰かに言われるのかな」
これが、面接で起きていることとまったく同じです。
面接官の頭の中で起きていること
面接で前の会社の不満を話すと、相手は二つのことを考えます。
ひとつは、うちでも同じことを言うのかなということ。実際には職場が違えば起きることも違うのですが、目の前で不満を聞いていると、そう想像されてしまいます。
もうひとつは、辞めるときも同じように言われるのかなということ。採用する側は、長く働いてほしいと思っています。だからこそ、辞めた後のことも考えます。
どちらも、あなたの話が嘘だと思っているわけではありません。内容とは別のことを考えられてしまう、という話です。
だから損をします。事実を言っただけなのに、伝わってほしいことが伝わりません。
でも、我慢しろという話ではありません
ここは大事なので、はっきり書きます。
不満を持ったこと自体は、あなたの落ち度ではありません。 残業が続いていたなら、それは事実です。聞いていた仕事と違ったなら、それも事実です。誰にも相談できなかったなら、それも本当のことです。
なかったことにする必要はありません。嘘の理由を作る必要もありません。作り話は、深く聞かれると必ず崩れます。
変えるのは、言い方だけです。
事実は言っていい。感情を長く話さないだけ
やることはシンプルです。
起きたことは言う。感じたことは短くする。最後は次の話で終える。
たとえば残業が理由なら、こうなります。
「残業が続いていて、体力的に続けるのが難しくなりました。次は長く働ける環境で、ひとつの仕事をきちんと覚えていきたいと思っています」
これで十分です。30秒もかかりません。
同じ内容を、感情を入れて話すとこうなります。
「毎日毎日残業ばかりで、上司は先に帰るのに自分だけ残されて、誰も助けてくれなくて、本当にきつかったです」
言っていることは同じです。でも受け取られ方はまったく違います。
削るのは事実ではなく、感情の言葉のほうです。
人が理由のときは、少しだけ工夫する
いちばん難しいのが人間関係です。
正直に言うと、これは伝え方に一番気をつけたほうがいい理由です。特定の誰かを責める形になると、聞いている側は身構えます。
やり方はひとつあります。人の話ではなく、働き方の話に変えるのです。
「上司と合わなかった」ではなく、「わからないことを聞ける環境で働きたい」。
「無視されていた」ではなく、「チームで相談しながら進める仕事が向いていると思いました」。
嘘はついていません。同じことを、これからの話として言い直しているだけです。
まず全部書き出してから削る
いきなり上手に話そうとしなくて大丈夫です。順番があります。
最初に、誰にも見せない紙に全部書いてください。 言葉は選ばなくていいです。ひどいことを書いてかまいません。ここは面接ではありません。
書き終わったら、その中から実際に起きた出来事にだけ線を引きます。 「ムカついた」は感想です。「休憩が取れない日が続いた」は出来事です。
線を引いたものの中から、一番大きい理由をひとつ選びます。 全部言う必要はありません。理由をいくつも並べると、不満が多い人に見えてしまいます。
最後に「だから次はこうしたい」を足せば完成です。
そして、声に出して言ってみてください。 頭の中では30秒でも、口に出すと1分を超えることがあります。長ければ削ります。
書いた紙は捨てなくていい
最後にひとつだけ。
面接で言わないことにしたからといって、その気持ちがなかったことになるわけではありません。
つらかったことはつらかった。おかしいと思ったことはおかしい。それは変わりません。書き出した紙も、捨てなくていいです。
ただ、面接という場では、その話をしても得るものが少ないというだけです。あなたの気持ちを否定しているのではなく、その場に合う言い方があるという話です。
一人で言葉を選ぶのが難しければ、相談の場では悪口のまま話してもらって構いません。むしろそのほうが、何が起きていたのかが正確にわかります。整理して面接で使える形にするのは、こちらでできます。
退職理由の相談でよくあること
面接で何を話せばいいか分からないという相談は多いです。特に、辞めた理由が人間関係や労働条件の場合、そのまま言っていいのか迷う人がほとんどです。
事実を言うこと自体は問題ありません。伝える順番と長さを変えるだけで受け取られ方が変わります。
嘘は必要ありません。むしろ作った理由は後で矛盾しやすく、途中で崩れます。
つらかった経験なので自然なことです。だからこそ、事前に言葉を決めておく意味があります。
言い方を変えるまでの流れ
いきなり上手に話そうとしなくて大丈夫です。この順番でやると自然に整います。
あなたの辞めた理由はどれに近いですか
理由によって言い換え方が変わります。近いものを選んでください。
近いものを選んでください
特定の誰かを責める形にすると、聞いている側は身構えます。「合わなかった」ではなく、どんな進め方なら力を出せるのかに置き換えると伝わります。
- 個人を名指ししない
- どんな職場で働きたいかに変える
- 自分が工夫したことも一言添える
悪口が損になる4つの理由
どれも、あなたの話が嘘だと思われているわけではありません。別のことを考えられてしまうのです。
言い換えの3段階
事実を言う
何が起きていたかを、短く。感想は入れません。「残業が続いていました」で十分です。
理由をつなぐ
それが自分にとってなぜ問題だったのかを、一文だけ添えます。
次の話で終える
だから次はこういう働き方がしたい、と締めます。ここで印象が決まります。
書き出しのワーク
最初から上手に言おうとしなくて大丈夫です。まず全部出してから削ります。
遠慮なく全部書く
誰にも見せない紙に、思っていることを全部書きます。言葉は選ばなくていいです。
事実に線を引く
書いたもののうち、出来事として起きたことだけに線を引きます。
ひとつだけ選ぶ
線を引いた中から、一番大きい理由をひとつ選びます。全部言う必要はありません。
退職理由をつくるワークシート
この4つが埋まれば、面接で話す内容はできあがりです。
1. 起きていたこと
- 出来事だけを書く
- 気持ちは入れない
2. 自分がやってみたこと
- 何もしていなければ空欄でよい
- 小さいことでも書く
3. 次に大事にしたいこと
- ひとつに絞る
- 前向きな言葉にする
4. 声に出したときの長さ
- 実際に言ってみる
- 長すぎたら削る
ワークのゴール
30秒くらいで言い終わって、最後が「次はこうしたい」で終わっている状態です。
書き出した紙は捨てなくて大丈夫です。面接で言わないだけで、なかったことにする必要はありません。
よくある失敗
面接前の準備チェック
チェックを入れると、準備できているかがわかります。保存はされません。
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この記事の作成・確認体制
よくある質問
Q. 本当の退職理由を言わないのは嘘になりませんか?
Q. 人間関係が理由でも正直に言っていいですか?
Q. 残業が多かったことを理由にしてもいいですか?
Q. どのくらいの長さで話せばいいですか?
Q. もっと詳しく聞かれたらどうすればいいですか?
言い方が思いつかないときは、一緒に考えます。
何があったのかを話してもらえれば、面接で使える形に整理できます。悪口のまま話してもらって大丈夫です。そこから削ります。