隠さない。かわりに読む順番を変える。
短い職歴を書かないという選択は、うまくいきません。入社の手続きで職歴が分かる場面があり、後から判明すると、期間の短さより「隠していたこと」のほうが問題になります。ここは最初から書いておくほうが安全です。
そのうえでやれることがあります。書類には読まれる順番があります。期間の数字より先に、何ができるかを読ませる形にすると、受け取られ方が変わります。
書かないという選択は、うまくいきません
短い在籍がある人が最初に考えるのは、たいてい同じことです。これ、書かなくてもバレないんじゃないか。
気持ちは分かります。書けば不利になりそうですし、説明するのも気が重い。
でも、おすすめしません。理由は単純で、後から分かることがあるからです。入社の手続きの中で職歴に触れる場面があり、そこで書類と実際が食い違うと、話がややこしくなります。
そして厄介なのは、そのとき問題になるのが期間の短さではなく、書いていなかったことだという点です。数か月で辞めた事実より、隠していたという印象のほうが重くなります。
もうひとつあります。書かないと、その期間だけ何もしていない空白ができます。空白があれば「この間は何を?」と聞かれます。隠したはずが、かえって質問を増やすことになります。
だから、書きます。そのうえで、やれることをやります。
書類には「読まれる順番」がある
ここからが本題です。
書類は上から読まれます。当たり前の話ですが、これが効きます。
一番上に、自分が何をできる人なのかを3行くらいで書いてください。 職歴の一覧より先に、そこを読んでもらいます。
たとえばこんな形です。
「接客の仕事を中心に経験してきました。お客様への対応と、在庫の管理を担当していました。人と話す仕事を長く続けたいと考えています」
これだけです。難しく書く必要はありません。ここを読んだ時点で「接客ができる人だな」と思ってもらえれば、その先の職歴も同じ目で読まれます。
順番が逆だとどうなるか。最初に在籍期間の数字が並ぶと、そこから読み始めることになります。同じ内容なのに、受け取られ方が変わります。
分量で差をつける
もうひとつ、すぐできる工夫があります。
長く働いたところは詳しく、短い在籍は簡潔に。 行数の差をそのまま印象の差にします。
短い在籍について何行も書くと、そこが目立ちます。逆に、会社名と期間と担当した仕事を1〜2行で書いて次に進めば、流れの中の一部になります。
これは隠しているわけではありません。書くべきことは書いたうえで、重みを変えているだけです。
「書くことがない」と思ったときの思い出し方
短い在籍について、何も書けないと感じる人は多いです。たしかに、大きな成果はないかもしれません。
でも、必ず何かはやっています。順番に思い出してください。
まず、一日の流れです。朝出社して、何から始めて、昼はどうして、帰るまでに何をしていたか。細かくて構いません。むしろ細かいほうがいいです。
次に、覚えたこと。使えるようになった機械、覚えた手順、扱えるようになったソフト。数日で覚えたことでも書けます。
最後に、任されたこと。自分で判断していたこと、後から入った人に教えたこと、頼まれていたこと。
これを書き出すと、思っていたより出てきます。「接客業務」の一行で済ませていたものが、5行になります。 期間の長さより、書いてある中身のほうが記憶に残ります。
退職理由は、書類に長く書かない
職務経歴書に退職理由を書くべきかという質問をよく受けます。
必ず書く必要はありません。 書く場合も、一行にとどめてください。
理由は簡単で、長く書くほどそこに目が向くからです。詳しく説明したい気持ちがあっても、書類は説明の場ではありません。詳しい話は面接ですればいいのです。
書くとしても、事実だけにします。「業務内容の相違により退職」で十分です。感情や事情を書き込むと、それだけで一つの話題になってしまいます。
働いていない期間も、空欄にしない
在籍していない期間があるなら、そこも書いておきましょう。
期間を正確に書いて、その間していたことを一行添えるだけです。学習していた、家庭の事情があった、体調を整えていた。事実を短く書けば十分です。
空欄のままにしておくと、そこが一番の疑問点になります。 一行あるだけで、疑問ではなくなります。
書類と話す内容を合わせておく
最後にひとつ。
書類ができたら、そこに書いたことと、面接で話すことがずれていないかを確認してください。
書類では簡潔に書いた退職理由も、面接では聞かれます。そのとき書類と違うことを言うと、その場で取りつくろっているように見えます。せっかく準備した意味がなくなります。
書類は簡潔に、面接では少し詳しく。内容は同じで、長さだけが違うという状態にしておけば大丈夫です。
一人で書き上げるのが難しければ、何をしていたか話してもらうところからで構いません。話した内容を書類の形に整理するのは、こちらでできます。
書類の相談でよくあること
短い在籍がある方からの相談で、いちばん多いのが「書くべきかどうか」です。次に多いのが、書いたけれど通らないという相談です。中身を見ると、書き方で損をしているケースがあります。
書くほうが安全です。後から分かると、期間の短さより隠したことが問題になります。
短い期間でも、覚えた作業や任された範囲はあります。思い出す順番があります。
書類に必ず書く必要はありません。書く場合は短く、事実だけにとどめます。
書類を仕上げるまでの流れ
いきなり書き始めると手が止まります。材料を集めてから組み立てましょう。
あなたの職歴はどのタイプですか
状況によって書き方の工夫が変わります。近いものを選んでください。
近いものを選んでください
1回だけなら、それほど大きな問題にはなりません。長く働いた職歴の中身を詳しく書いて、そちらを読んでもらう形にしましょう。
- 長く働いた分を詳しく書く
- 短い在籍は事実のみ簡潔に
- 聞かれたときの答えを用意する
書かないとどうなるか、4つの理由
隠したくなる気持ちは分かります。ただ、実際には書いたほうが安全です。
工夫する3つの場所
冒頭の要約
書類の一番上に、自分ができることを3行くらいでまとめます。ここを先に読んでもらいます。
分量の配分
長く働いた職歴は詳しく、短い在籍は事実だけ簡潔に。行数の差がそのまま印象になります。
中身の具体性
何をしていたかを具体的に書きます。期間の長さより、書いてある内容のほうが記憶に残ります。
書く材料を思い出すワーク
「何もしていない」と感じていても、必ず何かはやっています。この順で思い出してください。
一日の流れ
出社してから帰るまで、何をしていたかを順に書き出します。細かくて構いません。
覚えたこと
使えるようになった道具、覚えた手順、扱えるようになったもの。
任されたこと
自分だけで判断していたこと、人に教えたこと、頼まれていたこと。
職務経歴書のワークシート
この4つが埋まれば、書類の材料はそろいます。
1. 職歴の一覧
- 短い在籍も必ず入れる
- 期間は月まで正確に書く
2. やっていたこと
- 細かいことも書く
- 期間ごとに分けて書く
3. 応募先で使えそうなもの
- 求人の仕事内容と照らす
- 3つ選んで印をつける
4. 冒頭に書く3行
- 一番読ませたいことを書く
- 長くしない
ワークのゴール
書類の一番上を読んだだけで、何ができる人か伝わる状態にすることです。
書けない欄は、一緒に思い出すことができます。空欄のまま相談に持ってきて構いません。
書類でよくある失敗
書類チェックリスト
チェックを入れると、書き漏れが分かります。保存はされません。
次に読む記事
この記事の作成・確認体制
よくある質問
Q. 短い在籍は書かなくてもいいですか?
Q. 職務経歴書に退職理由を書く必要はありますか?
Q. 在籍が短いと書くことがありません。どうすればいいですか?
Q. 働いていない期間はどう書けばいいですか?
Q. 試用期間中に辞めた場合も書きますか?
書き方が分からなければ、一緒に作れます。
何をしていたか話してもらえれば、書類に書ける形に整理できます。短い職歴があっても大丈夫です。