「転職したい気持ちはある。でも、やりたい仕事がありません」
転職相談の現場で、よく聞く言葉です。
この言葉を口にする人の多くは、自分を責めています。
やりたいことがない自分は甘いのではないか。 目標がない自分は遅れているのではないか。 周りはちゃんと将来を考えているのに、自分だけ何も決まっていないのではないか。
でも、最初に伝えたいことがあります。
やりたい仕事がないことは、悪いことではありません。
むしろ、普通です。
最初から「これが天職です」と言える人の方が少ないです。
多くの人は、働きながら、失敗しながら、違和感を感じながら、少しずつ自分に合う仕事を見つけていきます。
だから、やりたい仕事がない人が最初にやるべきことは、無理に夢を探すことではありません。
「何をやりたいか」ではなく、
「何に違和感があるのか」
を整理することです。
この記事では、転職したいけどやりたい仕事がない方に向けて、仕事選びで失敗しない考え方、向いている仕事の見つけ方、転職活動の進め方を、人材紹介会社の視点で解説します。
これは、夢を見つけるための記事ではありません。
自分の違和感をほどき、次の選択肢を見つけるための記事です。
「やりたいことがないんです」と言った25歳の女性
25歳の女性がいました。
大学卒業後、販売職として働いていました。
接客は嫌いではありません。
職場の人間関係も、決して最悪ではありません。
ただ、心のどこかでずっと思っていました。
「この仕事を、ずっと続けるイメージが湧かない」
休みの日、転職サイトを見ます。
事務職。 営業職。 ITエンジニア。 人事。 広報。 カスタマーサポート。 マーケティング。
いろいろな求人を見る。
でも、どれもピンとこない。
面談で彼女はこう言いました。
「転職したいんですけど、やりたい仕事がないんです。だから転職活動を始められません」
この言葉を聞いたとき、私はこう思いました。
この人は、やりたい仕事がないのではない。
今の仕事の何が合わないのかを、まだ言葉にできていないだけだ。
そこで、やりたい仕事を聞くのをやめました。
代わりに、こう聞きました。
「今の仕事で、一番しんどい瞬間はいつですか」
彼女は少し考えてから言いました。
「売上目標を追うことよりも、毎日ずっと店頭に立ち続けることがしんどいです」
さらに聞きました。
「逆に、少し楽しいと思える瞬間はありますか」
彼女は言いました。
「後輩に仕事を教えて、できるようになったときは嬉しいです」
ここで見えてきたことがあります。
彼女は接客が嫌いなのではありませんでした。
人と関わることも嫌いではありませんでした。
ただ、立ち仕事中心の働き方と、店舗のシフト勤務が合っていなかったのです。
そして、人に教えること、相手の成長を支えることにはやりがいを感じていました。
そこから、営業事務、カスタマーサポート、採用アシスタント、教育研修サポートなどの選択肢が見えてきました。
やりたい仕事を探す前に、違和感をほどいたことで、可能性が見え始めたのです。
3分診断|あなたは「やりたい仕事がない」のか「整理できていない」のか
以下にいくつ当てはまりますか。
- 転職したいが、応募したい求人が決まらない
- 求人サイトを見ても、どれもピンとこない
- やりたい仕事を聞かれると困る
- 自分に向いている仕事がわからない
- 今の仕事を続けたいとは思えない
- でも、何が嫌なのかうまく説明できない
- 周りの人が明確な目標を持っているように見える
- 自己分析をしても、よくわからなかった
- 興味のある仕事はあるが、自分にできる気がしない
- 条件で求人を見ているが、決め手がない
- 「好きなことを仕事に」と言われると苦しくなる
- 転職活動を始めたいのに、最初の一歩が出ない
0〜3個の場合
やりたい仕事がないというより、まだ情報収集が足りない段階かもしれません。
まずは職種を広く見て、仕事内容を知ることから始めましょう。
4〜8個の場合
今の仕事への違和感はあるものの、まだ言語化できていない状態です。
「何をしたいか」よりも「何が合わないか」を整理すると前に進みやすくなります。
9個以上の場合
自分の将来や働き方に対する不安が強くなっている可能性があります。
焦って求人に応募するよりも、まずは第三者と話しながら、仕事選びの軸を整理することをおすすめします。
結論|やりたい仕事は探すものではなく、違和感から見つけるもの
転職したいけどやりたい仕事がない人は、まず「やりたいこと」を探さなくて大丈夫です。
むしろ、最初からやりたいことを探そうとすると、苦しくなります。
なぜなら、仕事はやってみないとわからない部分が多いからです。
求人票を見ただけでは、その仕事の本当の面白さも、大変さもわかりません。
だから最初にやるべきことは、次の3つです。
- 今の仕事で何が合わないのかを整理する
- 逆に、少しでも苦にならないことを見つける
- 自分の経験が活かせる仕事を広げて考える
「やりたい仕事がない」と悩む人の多くは、何もないわけではありません。
嫌だったこと。 苦手だったこと。 続けられたこと。 人より少し楽にできたこと。 褒められたこと。 疲れにくかったこと。
その中に、次の仕事選びのヒントがあります。
やりたい仕事は、突然空から降ってくるものではありません。
違和感を一つずつほどいた先に、少しずつ見えてくるものです。
「やりたい仕事がない」と感じる理由
やりたい仕事がない人には、いくつか共通する理由があります。
1. 仕事の選択肢を知らない
そもそも、世の中にどんな仕事があるのかを知らないケースです。
学校でも、仕事の種類を詳しく教わる機会は多くありません。
知っている職種は、身近なものに偏ります。
- 営業
- 事務
- 販売
- 接客
- エンジニア
- 公務員
- 看護師
- 教師
このくらいしか思い浮かばない人もいます。
しかし実際には、仕事の種類はもっと多いです。
たとえば、
- カスタマーサクセス
- インサイドセールス
- キャリアアドバイザー
- 施工管理
- 品質管理
- 生産管理
- ITインフラエンジニア
- 営業事務
- 採用アシスタント
- ホテルフロント
- コールセンターSV
など、知れば選択肢が広がる仕事があります。
やりたい仕事がないのではなく、まだ知らないだけの場合もあります。
2. 「好きなことを仕事にしなければ」と思いすぎている
最近は、好きなことを仕事にしようという言葉をよく見ます。
もちろん、好きなことが仕事になるのは素晴らしいことです。
でも、それがすべてではありません。
仕事選びで大切なのは、好きかどうかだけではありません。
- 続けられるか
- 苦になりにくいか
- 強みが活かせるか
- 生活が成り立つか
- 成長できる余地があるか
- 人間関係や働き方が合うか
これらも大切です。
「好きなことがないから仕事を選べない」と考える必要はありません。
好きではなくても、続けられる仕事があります。
最初は興味が薄くても、できるようになることで面白くなる仕事もあります。
3. 自分の強みを知らない
自分の強みは、自分では気づきにくいです。
なぜなら、自分にとって普通にできることほど、強みだと思えないからです。
たとえば、
- 人の話を丁寧に聞ける
- コツコツ続けられる
- ミスに気づきやすい
- 初対面でも話せる
- トラブル時に落ち着ける
- 後輩に教えるのが得意
- 周囲の空気を読める
- 数字を見るのが苦ではない
これらは、仕事によっては大きな強みになります。
でも本人は「普通です」と言います。
やりたい仕事がない人は、自分の強みが見えていないことがあります。
4. 失敗したくない気持ちが強い
やりたい仕事がないのではなく、失敗が怖くて選べない人もいます。
この求人に応募して落ちたらどうしよう。 入社して合わなかったらどうしよう。 未経験でついていけなかったらどうしよう。 周りに笑われたらどうしよう。
こうした不安があると、どの仕事も選べなくなります。
でも、転職活動は一発勝負ではありません。
求人を見る。 話を聞く。 応募する。 面接で確認する。 内定後に比較する。
この過程で判断していけば大丈夫です。
最初から完璧に選ぶ必要はありません。
5. 疲れすぎていて未来を考えられない
これは非常に重要です。
今の仕事で疲れ切っている人は、やりたい仕事を考える余裕がありません。
毎日を乗り切るだけで精一杯。
休日は寝るだけ。
月曜日が来るのが怖い。
そんな状態で、
「あなたのやりたい仕事は何ですか」
と聞かれても、答えられなくて当然です。
その場合、必要なのは自己分析ではなく、まず回復です。
成長を考える前に、壊れない働き方を考える。
これも立派なキャリア設計です。
やりたい仕事がない人が最初にやるべきこと
やりたい仕事を探す前に、以下の順番で整理してみてください。
STEP1|やりたくないことを書き出す
まずは、やりたいことではなく、やりたくないことを書き出します。
例:
- 夜勤は避けたい
- 立ち仕事を続けるのはきつい
- 個人ノルマが強い仕事は避けたい
- 毎日同じ作業だけはつらい
- 人と話さない仕事は合わない
- クレーム対応が多すぎる仕事は苦手
- 転勤は避けたい
- 土日休みがいい
- 体力勝負の仕事は長く続けにくい
やりたくないことは、仕事選びの大事なヒントです。
なぜなら、転職で大切なのは「最高の仕事を見つけること」だけではないからです。
「続けられない仕事を避けること」も同じくらい大切です。
STEP2|今まで苦にならなかったことを探す
次に、これまでの仕事や生活の中で、そこまで苦にならなかったことを探します。
例:
- 人と話すことは苦ではない
- パソコン作業は嫌いではない
- 細かい確認作業はできる
- 決まった手順を守るのは得意
- 後輩に教えるのは好き
- 予定を調整するのは得意
- 数字を追うのは嫌いではない
- 初対面の人とも話せる
- トラブル対応で冷静に動ける
「好き」までいかなくても大丈夫です。
「苦ではない」は、仕事選びにおいて大きなヒントです。
仕事は毎日続くものです。
強い情熱よりも、続けられる相性の方が大切なことがあります。
STEP3|人から褒められたことを思い出す
自分の強みは、他人の言葉に隠れています。
過去に言われたことを思い出してみてください。
- 説明がわかりやすい
- 丁寧だね
- 気が利くね
- 対応が早いね
- 落ち着いているね
- 人当たりがいいね
- 責任感があるね
- 覚えるのが早いね
- コツコツできるね
- 周りをよく見ているね
これらはすべて、仕事選びの材料になります。
STEP4|できれば避けたい働き方を決める
仕事選びでは、仕事内容だけでなく働き方も重要です。
たとえば、同じ営業職でも、
- 新規開拓中心
- 既存顧客中心
- 個人向け
- 法人向け
- 外回り中心
- オンライン商談中心
では働き方が違います。
同じ事務職でも、
- 一般事務
- 営業事務
- 経理事務
- 人事労務
- 医療事務
では求められる力が違います。
「職種名」だけで判断しないことが大切です。
STEP5|仮説で選ぶ
最後に、完璧な答えを探すのではなく、仮説で選びます。
たとえば、
「人と話すのは苦ではない。でも個人ノルマは苦手」 ↓ 既存営業、カスタマーサクセス、キャリアアドバイザーを見てみる。
「細かい作業は得意。でも人前で話すのは苦手」 ↓ 事務、品質管理、データ入力、営業事務を見てみる。
「現場で動くのは好き。でも接客は疲れる」 ↓ 製造、施工管理、物流管理を見てみる。
最初から正解を探さなくて大丈夫です。
まずは仮説を立てて、求人や仕事内容を見ながら修正していきましょう。
「向いている仕事」はどう見つけるのか
向いている仕事は、好きな仕事とは限りません。
向いている仕事とは、
- 人より少し楽にできる
- 続けても極端に消耗しない
- 周囲から評価されやすい
- 成長したときに面白くなりそう
- 自分の性格や強みと合っている
仕事です。
向いている仕事を見つける5つの質問
次の質問に答えてみてください。
1. 今まで一番褒められた仕事は何ですか?
褒められたことは、他人から見た強みです。
2. 苦手な人が多いのに、自分はそこまで苦ではないことは何ですか?
これは非常に重要です。
自分では普通でも、他人にとって難しいことがあります。
3. 時間が経つのが早く感じる作業は何ですか?
集中しやすい作業には、適性が隠れていることがあります。
4. 逆に、どれだけ頑張っても消耗する仕事は何ですか?
避けるべき仕事を知ることも大切です。
5. どんな人と働くと力を発揮しやすいですか?
仕事は仕事内容だけでなく、人間関係や環境にも左右されます。
この質問に答えるだけでも、自分の傾向が見えてきます。
仕事選びで失敗しやすい考え方
1. 「楽そう」で選ぶ
事務職を希望する方に多いのが、「楽そうだから」という理由です。
しかし、事務職にも大変な面があります。
正確性が求められます。 締切があります。 社内外との調整があります。 ミスが許されない場面もあります。
楽そうに見える仕事ほど、見えない大変さがあります。
2. 「年収だけ」で選ぶ
年収は大切です。
しかし、年収だけで選ぶとミスマッチが起きやすくなります。
年収が高い仕事には、求められる成果や負荷もあることが多いです。
3. 「未経験歓迎」だけで選ぶ
未経験歓迎と書いてあると安心します。
しかし、未経験歓迎にもいろいろあります。
育成前提の求人もあれば、人手不足で入りやすいだけの求人もあります。
仕事内容や教育体制を確認しましょう。
4. 「憧れ」で選ぶ
マーケティング、人事、広報、企画などは人気があります。
しかし、憧れだけで選ぶと、実際の業務とのギャップが出ます。
華やかに見える仕事ほど、裏側には地道な作業があります。
5. 「今の仕事が嫌だから」で選ぶ
今の仕事から逃げたい気持ちは、転職のきっかけとして自然です。
ただし、逃げる先を間違えると、同じ悩みを繰り返します。
「何から離れたいのか」と同時に、「次は何を大切にしたいのか」を整理しましょう。
職種別|やりたい仕事がない人に見てほしい選択肢
人と話すことが苦ではない人
以下の職種が選択肢になります。
- 営業職
- カスタマーサポート
- コールセンター
- キャリアアドバイザー
- 販売・接客
- ホテルフロント
ただし、人と話す仕事にも種類があります。
新規開拓営業のように自分から動く仕事もあれば、カスタマーサポートのように問い合わせ対応が中心の仕事もあります。
「人と話す仕事」で一括りにしないことが大切です。
コツコツ作業が苦ではない人
以下の職種が選択肢になります。
- 事務職
- 営業事務
- 経理補助
- データ入力
- 品質管理
- 製造職
- ITインフラ運用
正確性や継続力が評価されやすい仕事です。
体を動かす方が合っている人
以下の職種が選択肢になります。
- 製造職
- 物流
- 施工管理
- 設備管理
- フィールドエンジニア
- ホテル・施設運営
デスクワークが苦手でも、現場で力を発揮できる人は多くいます。
人を支えることが好きな人
以下の職種が選択肢になります。
- 営業事務
- カスタマーサクセス
- 採用アシスタント
- 人材コーディネーター
- 介護・福祉関連
- 教育研修サポート
前に出るよりも、誰かを支えることにやりがいを感じる人に向いています。
数字や成果がある方が燃える人
以下の職種が選択肢になります。
- 営業職
- インサイドセールス
- 販売職
- Webマーケティング
- 店舗運営
- 事業企画補助
成果が見える仕事にやりがいを感じる人に向いています。
「やりたい仕事」より「続けられる仕事」を考える
仕事選びで大切なのは、やりたいかどうかだけではありません。
続けられるかどうかです。
どれだけ憧れの仕事でも、毎日強いストレスを感じるなら長く続きません。
逆に、最初は強い興味がなくても、続けるうちに得意になり、評価され、面白くなる仕事もあります。
仕事の面白さは、最初からあるとは限りません。
できるようになってから、面白くなることもあります。
だから、やりたい仕事がない人は、こう考えてみてください。
「何をしたいか」
ではなく、
「どんな仕事なら続けられそうか」
「どんな環境なら壊れずに働けそうか」
「どんな役割なら少し力を出せそうか」
この問いの方が、現実的で、優しいです。
成長したい人にも、成長に疲れた人にも
転職メディアでは、よくこう言われます。
成長しましょう。 市場価値を上げましょう。 キャリアアップしましょう。 年収を上げましょう。
もちろん、それは大切です。
でも、すべての人が今、成長を目指せる状態とは限りません。
仕事で疲れ切っている人もいます。 人間関係で自信を失っている人もいます。 毎日を乗り切るだけで精一杯の人もいます。 もう頑張ることに疲れてしまった人もいます。
そんな人に、
「もっと成長しましょう」
と言っても届きません。
必要なのは、まず立て直すことです。
転職は、上に行くためだけのものではありません。
自分を守るための転職もあります。 生活を整えるための転職もあります。 心身を壊さないための転職もあります。 もう一度、自分のペースを取り戻すための転職もあります。
やりたい仕事がないなら、無理に夢を探さなくていい。
まずは、続けられる仕事を探してもいいのです。
失敗事例|「人事に憧れていた」けれど動けなかった人
26歳の男性がいました。
営業職として働いていましたが、人事職に興味がありました。
理由を聞くと、こう言いました。
「人のキャリアに関わる仕事がしたいんです」
とても良い理由に聞こえます。
しかし、詳しく話を聞くと、人事の仕事内容をあまり理解していませんでした。
採用面接をする仕事。 人と話す仕事。 人の人生に関われる仕事。
そのイメージだけで考えていました。
実際の人事には、
- 求人票の作成
- 応募者対応
- 日程調整
- 面接調整
- 社内調整
- 入退社手続き
- 労務管理
- 評価制度
- 教育研修
など、地道な業務が多くあります。
彼は最終的に、人事ではなくキャリアアドバイザーや人材営業も選択肢に入れました。
「人のキャリアに関わりたい」という想いはそのままに、より現実的な職種へ広げたのです。
このケースの学びは、憧れを否定する必要はないが、仕事内容の理解は必要だということです。
成功事例|「やりたい仕事がない」から営業に挑戦した人
24歳の女性がいました。
前職はアパレル販売。
転職理由は、シフト勤務を変えたいことと、年収を上げたいことでした。
最初は事務職を希望していました。
理由は、
「土日休みで安定していそうだから」
です。
しかし、経験を整理すると、彼女は接客で売上目標を追うことが苦ではありませんでした。
お客様に合わせて提案することも得意でした。
一方で、細かい事務作業を一日中続けることにはあまり興味がありませんでした。
そこで、法人営業やインサイドセールスも選択肢に入れました。
最終的に、未経験から営業職へ転職しました。
入社後、最初は苦労しましたが、販売経験で培った提案力が活き、少しずつ成果が出ました。
彼女は最初から営業がやりたかったわけではありません。
でも、自分の経験と強みを整理した結果、営業が合う可能性に気づいたのです。
やりたい仕事がなくても、向いている仕事は見つかることがあります。
成功事例|「何もしたくない」状態から働き方を整えた人
30代前半の方がいました。
前職では残業が多く、心身ともに疲れていました。
面談では、こう言いました。
「正直、やりたい仕事とか考えられません。もう疲れました」
この状態で、無理にキャリアアップを提案しても意味がありません。
まず整理したのは、やりたいことではなく、避けたいことでした。
- 長時間残業は避けたい
- 休日出勤は避けたい
- 強いノルマは避けたい
- 毎日怒鳴られる環境は避けたい
- 通勤時間を短くしたい
そのうえで、これまでの経験を活かせる職種を探しました。
結果として、前職の顧客対応経験を活かせるカスタマーサポート職が候補になりました。
その方にとっての転職は、成長のためではありませんでした。
立て直すための転職でした。
それでいいのです。
企業側は「やりたい仕事がない人」をどう見るのか
企業は、応募者に完璧な夢を求めているわけではありません。
ただし、
「何でもいいです」
は評価されにくいです。
やりたい仕事が明確でなくても、
- なぜこの仕事に興味を持ったのか
- これまでの経験がどう活かせそうか
- どんな働き方をしたいのか
- 入社後に何を頑張りたいのか
は伝える必要があります。
たとえば、面接でこう言うと弱いです。
「やりたい仕事がないので、未経験でもできそうな仕事を探しています」
一方で、こう言うと印象が変わります。
「前職では接客を通じて、お客様の要望を聞き取り提案する経験を積みました。今後はその経験を活かしながら、より長期的に顧客と関われる仕事に挑戦したいと考えています」
やりたい仕事がなくても大丈夫です。
ただし、企業に伝えるときは、経験と方向性を結びつける必要があります。
やりたい仕事がない人の転職活動ロードマップ
STEP1|今の仕事の違和感を書き出す
まずは、今の仕事で合わないことを書き出します。
STEP2|嫌ではなかったことを探す
仕事の中で、比較的苦にならなかったことを探します。
STEP3|人から褒められたことを整理する
周囲から評価された経験を思い出します。
STEP4|職種を広く知る
知っている仕事だけで判断しないようにします。
STEP5|仮説で3職種に絞る
完璧な答えではなく、可能性がありそうな職種を3つ選びます。
STEP6|求人を見て現実を確認する
仕事内容、条件、応募資格を確認します。
STEP7|第三者に相談する
自分では気づけない強みを整理します。
STEP8|応募しながら確認する
応募や面接を通じて、合う・合わないを見極めます。
使えるワーク|違和感整理シート
以下を紙に書いてみてください。
1. 今の仕事で嫌なこと
例:
- 立ち仕事がきつい
- 個人ノルマがつらい
- シフト勤務が合わない
- 上司に相談しづらい
- 将来の年収が不安
2. 今の仕事で嫌ではないこと
例:
- お客様と話すこと
- 後輩に教えること
- 数字を追うこと
- パソコン作業
- チームで動くこと
3. 人から褒められたこと
例:
- 説明が丁寧
- 対応が早い
- 責任感がある
- 落ち着いている
- 周囲をよく見ている
4. 次の仕事で避けたいこと
例:
- 夜勤
- 転勤
- 長時間残業
- 強いノルマ
- 体力的にきつい仕事
5. 次の仕事で大切にしたいこと
例:
- 土日休み
- 年収アップ
- 人間関係
- 成長環境
- 安定性
- 長く働けること
この5つを書くだけで、求人を見る目が変わります。
FAQ|やりたい仕事がない人の転職でよくある質問
Q1. やりたい仕事がないまま転職活動を始めてもいいですか?
始めても大丈夫です。
ただし、いきなり応募するよりも、まずは自己整理と情報収集から始めるのがおすすめです。
Q2. やりたい仕事がない人は転職しない方がいいですか?
必ずしもそうではありません。
今の仕事に強い違和感があるなら、転職を含めて選択肢を考える価値があります。
Q3. 好きなことを仕事にした方がいいですか?
好きなことを仕事にできる人もいます。
ただし、好きだけで仕事を選ぶとミスマッチが起きることもあります。
続けられるか、強みが活かせるかも大切です。
Q4. 向いている仕事はどう見つければいいですか?
人から褒められたこと、苦にならない作業、続けられた経験を整理しましょう。
第三者に相談するのも有効です。
Q5. 自己分析をしてもわからない場合はどうすればいいですか?
一人で考え続けても答えが出ないことがあります。
求人を見たり、人に相談したり、実際の仕事内容を知ることで見えてくることもあります。
Q6. やりたい仕事がない場合、職種はどう選べばいいですか?
まずは「避けたいこと」と「苦にならないこと」から考えましょう。
そのうえで、経験が活かせる職種を広げて見ていくのがおすすめです。
Q7. とりあえず事務職を目指すのはありですか?
ありですが、事務職は人気が高く、未経験では倍率が高くなる場合があります。
なぜ事務職なのか、どんな事務職が合うのかを整理しましょう。
Q8. やりたい仕事がないと面接で不利ですか?
そのまま「何でもいいです」と伝えると不利になりやすいです。
ただし、経験や希望する働き方を整理して伝えれば問題ありません。
Q9. 転職エージェントに相談してもいい段階ですか?
相談して大丈夫です。
むしろ、やりたい仕事がない段階こそ、第三者と話すことで整理しやすくなります。
Q10. 仕事にやりがいを求めないのは悪いことですか?
悪くありません。
安定、働きやすさ、生活との両立を重視する転職もあります。
Q11. 今の仕事が嫌なだけで転職するのは逃げですか?
逃げとは限りません。
ただし、何から離れたいのか、次に何を大切にしたいのかを整理することが重要です。
Q12. やりたい仕事がない人におすすめの職種はありますか?
人によります。
接客経験があれば営業やカスタマーサポート、コツコツ作業が得意なら事務や品質管理、体を動かす方が合うなら製造や施工管理などが選択肢になります。
Q13. 何歳までにやりたい仕事を見つけるべきですか?
明確な期限はありません。
働きながら少しずつ見つけていく人も多いです。
焦って決めるより、納得できる方向性を探すことが大切です。
Q14. 周りと比べて焦ります。どうすればいいですか?
他人のキャリアは、あなたの正解ではありません。
自分の状況、価値観、生活に合う選択を考えましょう。
Q15. まず何から始めればいいですか?
今の仕事で嫌なこと、苦にならなかったこと、人から褒められたことを書き出すところから始めましょう。
保存版|やりたい仕事がない人のチェックリスト
- やりたい仕事がない自分を責めない
- 今の仕事で嫌なことを書き出した
- 今の仕事で苦にならなかったことを書き出した
- 人から褒められたことを思い出した
- 避けたい働き方を整理した
- 大切にしたい条件を3つに絞った
- 知らない職種を調べた
- 気になる職種を3つ選んだ
- 求人を10件以上見比べた
- 職種名ではなく仕事内容を確認した
- 年収だけで判断していない
- 「楽そう」だけで選んでいない
- 第三者に相談した
- 応募前に志望理由を整理した
- 完璧な答えを急がないと決めた
まとめ|やりたい仕事がないなら、まず違和感をほどけばいい
やりたい仕事がないことは、悪いことではありません。
最初から明確な夢や目標を持っている人ばかりではありません。
むしろ、多くの人は働きながら、自分に合う仕事を探しています。
だから、やりたい仕事がない人が最初にやるべきことは、無理に夢を探すことではありません。
今の仕事の何が合わないのか。 何なら苦にならないのか。 人から何を褒められてきたのか。 どんな働き方なら続けられそうなのか。
そこから整理すれば大丈夫です。
転職活動は、完璧な答えを持って始めるものではありません。
考えながら、調べながら、話しながら、少しずつ方向を見つけていくものです。
やりたい仕事がないなら、まずは自分の違和感をほどいてください。
その先に、向いている仕事や続けられる仕事が見えてくることがあります。
そして、それは必ずしも華やかな仕事でなくてもいい。
人に誇れる夢でなくてもいい。
あなたが無理なく続けられて、少しずつ前に進める仕事なら、それは十分に意味のある選択です。
WorksNaviに相談する
転職したいけど、やりたい仕事がない方へ。
WorksNaviでは、
- やりたい仕事がない方の相談
- 向いている仕事の整理
- 未経験転職の相談
- 職種選びのサポート
- 求人紹介
- 書類作成
- 面接対策
を無料でサポートしています。
「何がしたいかわからない」 「自分に向いている仕事がわからない」 「今の仕事を続けるべきか悩んでいる」 「転職したいけど、応募したい求人がない」
そんな状態でも大丈夫です。
最初から答えを持っている必要はありません。
一緒に話しながら、今の違和感を整理し、次の選択肢を見つけていきましょう。
転職活動は、仕事探しではありません。
自分がどう働きたいのかを、少しずつ見つけていく時間です。